2024年4月18日木曜日

人生は長い!ただ、婚活で輝ける期間は…



人生は長いか短いかと、聞かれると



半世紀以上



何とか生き抜いている、マスターからすると



長いですねー



3年前のことすら、もう遠い昔に感じます 笑



ただ、今回も



『婚活』というステージの上での、話とすると



活躍できる期間



輝ける期間は



そんなに、悠長にはしてられないかと…



どうしても、年齢という条件は



最重要項目になってしまうからです



これは、どうしようもない事実です





だからといって



人生にとって、遅いという言葉はありません



今日から、やればいいんです!



ということで



ゴールデンウィークも、絶賛営業する



ルシエに行きましょう♪










2024年3月11日月曜日

笑われてなんぼ!ちっちゃなプライドは捨てましょう!

 


マスターの恒例?



今回の金言は



プライドや見栄について…



別に、ブログネタにひどく困っている訳ではありません 笑




人は、失敗したり



上手くいかないことがあると



カッコ悪いところを見せたくない



恥ずかしい、隠したい、って



どうしても思っちゃいますよね



例えば車ぶつけちゃったり、とか…



婚活が上手くいない、とか…



もちろん、僕も否定は出来ません



でもそんなこと



他人からすれば



全然大したことではないんです



というか、何も思っていないんです



ですよねー



ひとは他人に、あなたに



思ってる以上に、興味なんてないからなんです



他人のことなんて、ぶっちゃけどうでもいいからなんです



だから、カッコつける必要もない



恥ずかしいなんて



思う必要すらない



だから、例え上手くいかない事があっても



何も気にする必要はありません



逆にネタにして



どんどん話していきましょう!



カッコつけてもしょうがない



なんなら、笑われてなんぼです



人は失敗から学ぶ生き物



そして、それを次にいかせる生き物



人生は、切り替え切り替え



なんでもポジティブに考えていきましょう!



みんな大変、あなたも大変



どうせ大変なら



笑って生きましょう!



と、いうことで



人生、未だに失敗しまくりからの



ネタにして、ひたすら笑いを欲しがり続ける



ルシエのマスターの金言でした



バーイ、センキュー!





2024年2月13日火曜日

マスターの恋ばな⑩ー最終章ー




僕の恋ばな第10弾、ついに最終章です。

なんとなんと、約7年振りかな…笑

待っていた方がいたなら、本当に、本当にお待たせしました!

興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

なお、第1章~第9章はブログを遡ると出てきます。

少しお手数をお掛けしてしまいますが、何とぞよろしくお願いします。








その日は、1993年の2月16日。

僕が会社を辞める、ちょうど十日前だった。

冬景色に染まった空は、分厚い雲に覆われて、

とにかく寒さの厳しい一日だった。

以前待ち合わせで使ったことのある、会社近くの喫茶店で、

僕らは、就業後に待ち合わせをした。

先に着いた僕は、落ち着かない様子で、優美が来るのを待った。

とりあえず、コーヒーを注文した。

待っている間、僕は彼女に伝えるべき言葉に頭を悩ませていた。

でもどれが最善の言葉なのか、

未だにはっきりとした答えは出ていなかった。



「遅くなって、ごめんね」

待つこと二十分、彼女がようやくやって来た。




ゆっくりと彼女が席に着いた。

僕は彼女の姿を見た瞬間から、心臓が口から飛び出すのではと思うくらい、ドキドキしていた。

彼女の顔なんて、少しもまともに見ることが出来なかった。

言葉も、なかなか出て来なかった。

息が詰まるような、沈黙は続いた。



でもこのままではいけないと思った僕は、そんな思いを必死で抑えながら、

彼女の顔色をそっと窺った。

一瞬、目が合った。

しかし彼女は、少しも表情を変えることなく、視線をすぐに逸らした。



気まずかった。

会えなかった長い時間が、いつしか二人をすっかりぎこちなくさせていた。

でも、やっぱりこのままではいけないと思った僕は、

軽い笑顔を作って、ようやくこう切り出した。

「久しぶりやね。元気やった?」

彼女は何も言わなかった。

小さく頷くだけだった。

「何か飲む?」

そんな僕の言葉にも、「じゃぁ、紅茶で」

そう暗い感じで答えるだけだった

二人の間には、完全に重苦しい空気が立ち込み始めていた。

「今日は一段と寒いね」

そんなありきたりな話題を振っても

「そうね」

彼女はやっぱりそんな感じで、必要最小限の言葉を返すだけだった。

目もろくに合わせてくれなかった。

「あぁ、そうだ。チョコレートありがとう。お礼言うのが遅くなってごめんね。

でも、すごく美味しかったよ。あれって手作り?」

僕は少しだけテンションを上げて、そうも訊いてみた。

でも彼女はやはり小さく頷くだけで、話を膨らませることはなかった。

二人の間には、もう取返しのつかない距離さえ感じた。

そんな空気を切り裂くように、店員がここで紅茶を運んできた。

彼女それを少しだけ口にした。

二人の間に、再び重苦しい沈黙が訪れた。

だが、遂に覚悟を決めた僕は

彼女が視線を合わせるのを待って、静かにこう切り出すのだった。

「もう知ってるとは思うけど、俺二月いっぱいで会社辞めて、九州に帰るわ」

僕がそう口にした瞬間から、彼女は終始うつむき気味になった。

そういう僕の心も、この時すでに深い悲しみで泣いていた。

「ごめん…、優美には一番最初に言おうとも思ったんやけど、言いづらくて…言えなかった。本当にごめん…」

僕が続けて言ったその言葉にも、彼女は言葉を返すことはなかった。

ずっと下を向いていた。

さらなる重い沈黙が、二人を包んだ。

でも、どうしても本当の気持ちを伝えなければいけないと思った僕は、

そんな彼女にも、次の言葉を口にしようとした。


その時だった。

おもむろに、彼女は立ち上がった。

かと思うと何も言わず、そのまま走るように喫茶店を飛び出して行った。




動けなかった。

あまりの突然なことに、あっけにとられてしまった僕は、

完全に固まってしまっていた。

何が起こったのか、とてもすぐには理解出来なかった。

でもしばらくして、ようやく状況を把握した僕は、

「優美を追わなきゃ」

すぐにそう思い直し、焦るように席を立った。

僕は、急いでレジを済ませようとした。

しかし、財布の中にちょうどの金額は入っていなかった。

仕方なく僕は、

「釣りはいいですから」

急かせるように、店員にそう言うと、

慌てて取り出して、くしゃくしゃになった千円札を

激しい音を立てながらレジカウンターに置いた。

そして、そのまま走るように喫茶店を飛び出していった。

店の前で、僕は彼女の家の方向に目をやった。

だが、彼女の姿はどこにもないのだった。




動揺していた。

激しく動揺していた。

それでも

「とにかく優美を探さなきゃ」

その想いのみに駆り立てられた僕は、彼女自宅方面に向かいながら、

ありとあらゆる場所を、探し回った。

とにかく、必死で探し回った。

でもどこをどう探しても、どこにどう行っても、

優美の姿を見つけることは、出来ないのだった。



やむなく僕は、彼女のマンションの前で、隠れて待つことにした。

悪いとは思ったが、彼女の自宅にも、電話を掛けた。

しかし何度掛けても、何度鳴らしても、誰も電話に出ることはないのだった。

旦那の西岡さんの帰宅時間を考えて、電話はいい加減諦めることにした。



時刻はすでに、20時を回っていた。

それでも、僕は待った。

待ち続けた。

彼女とどうしても話をしたかった僕は、とにかく彼女を待ち続けた。



気が付くと、小雨が散らついてきた。

寒さと相まって、凍えそうになった。

それでも、僕は待った。

待ち続けた。

その時の僕には、もうそうする他にないのだった…



僕はそれからも、彼女を待った。

門限ぎりぎりの23時まで、待ち続けた。

でもいつまで待っても、いつまで経っても、

彼女の姿を見つけることは、出来なかった。



僕はすぐに彼女を追わなかったことを、後悔して止まなかった。

でも、今さら何を考えても、何をどう後悔しても、それはもう遅かった。

仕方なく、僕は家路に就いた。

つめたい小雨に打たれながら、僕は心まで冷え切っていた。




翌日からの僕は、慌ただしく退職の準備に追われた。

係内にも、僕の退職がやがて発表された。

僕は皆の前で、理由を添えてその旨を伝えた。

「ホンマに辞めんのか?」

先輩たちは、皆残念そうにそう言ってくれた。

「すみません…」

でも僕は、そうとしか言わなかった。

そんな僕の姿を見た後藤係長が、こんな言葉を贈ってくれた。

「会社を辞めても、俺たちの関係がここで終わることはないからな。

  僅か五ヶ月間だったけど、この出会いを一生忘れることなく、これからも大切にしていこう」

「はい。ありがとうございます」

僕は深々と頭を下げた。


係長の言葉が、やけに心に染みた。

そんな係長の心の広さに、深く感激せずにもいられなかった。

「こんな大人になりたい」

最後は、そんなふうにさえ思った。

僕は自分の選択を、この時少しだけ後悔していた。




ただそんなふうに慌ただしく過ごしながらも、

僕の頭の中は、やっぱり優美のことでいっぱいだった。

優美に会いに行くべきかどうか、ずっと迷っていた。

でも、そうしなかった。

いや、出来なかった。


彼女を完全に傷つけてしまった…

そう思う僕には、

どうしても、どうしても、彼女会いに行くことが出来なかった。

そして、あの時の彼女のあの行動が、

僕が出した「答え」に対する、彼女の「答え」だとも

思ったからでもあった。

僕も今さら、僕がすでに出したその「答え」を、

変えられるはずも、ないのだった…





その日の夜から、僕は九州に帰る準備を始めた。

荷物を整理していると、数々の思い出の写真が出てきた。

入社式、友人の結婚式、慰安旅行、さらには澤井さん達との焼き肉パーティー…

僕は、夢中で写真に見入った。

そして、その中で特に大事にしまっておいたのが、優美との写真だった。


気が付くと僕は、写真の中の彼女をひたすら見つめていた。

時が経つのも、すっかり忘れて。

楽しそうに微笑む彼女が、そこにはたくさんいた。

並んで取ったツーショット写真を見つけた時には、

それまでにないほど、切ない気持ちにもなった。

彼女との輝いていた様々な想い出が、溢れるほどにも思い出されてきた。



でもこの写真を、杏子の元に持って帰る訳にはいかなかった。

そんなこと、出来る筈もないのだった。

だから僕は、悲愴な覚悟を持って、その写真を全て破り捨てることにした。

そうすることで、優美とのけじめをきちんとつけようとも思った。

そして優美との思いでを一つ一つ深く心に刻みつつ、僕は写真を破り捨てていった。

一枚、一枚。

少しづつ、少しづつ。

こうして、僕の「宝物」は無くなった。

僕と優美とをつなぐものは、全て無くなった。

その間、僕の涙が止まることはないのだった。




最後の一週間、僕は毎日のように送別会に呼ばれ、同期やお世話になった、先輩方との別れを惜しんだ。

「もったいない」

先輩たちは、皆一様そう言ってくれた。

「寂しくなるな」

本気で泣いてくれる、友人もいた。

でも、僕が涙を流すことは決してなかった。

何故なら、僕の涙はすべて優美の為だけに流されていて、

すでにこれっぽっちも、残っていないからだった。





そんなふうに慌ただしく過ごしていた退社三日前の二月二十三日、

耳を疑うかのような衝撃的な話が、僕のところに飛び込んできた。

昼休みに中庭で友人とくつろいでいると、坂井君が慌てるように僕の前に現れた。

そして彼は、吃驚したかのような顔をしたかと思うと、

ありえない事実を、いきなり僕に告げてきた。

「優美ちゃん、髪ばっさり切って、ショートヘアになってたで」

その言葉を聞いた瞬間、僕は頭の中が真っ白になった。

言葉なんて、出て来なかった。

何も考えられなかった。

それほどまでの衝撃を、僕はその時受けているのだった。



そう、彼女のさらさらロングヘアは、彼女の「象徴」そのものだった…

そして、そんな彼女のロングヘアが

僕は大好きだった…



この時僕は、彼女の僕への思いを、ようやく知ることとなった。

そして、それは同時に、僕との完全なる「決別」の意をも、知ることとなった。

それでも僕は、彼女の僕への想いが、偽りでなかったことが素直に嬉しかった。

そのことがはっきりしただけでも、十分満足だった。

だから僕は、これで、全てのことを吹っ切ることが出来ると思った。

いや、出来たと思う。

すっかり穏やかな気持ちになった僕は、

思わず坂井君に、こんなセリフを口にしているのだった。


「優美ちゃん、俺が会社辞めるの、よっぽどショックやったんやね」

そんな僕の顔は、清々しさに満ち溢れているのだった。






迎えた一九九三年二月二十六日。

会社を辞めるその日、僕は社内で最後の挨拶周りをして回った。

どんな人に会っても、僕の「結婚退職」ばかりに話が飛んだ。

僕はひたすら、苦笑いをするだけだった。

諸先輩方からは、温かい言葉をたくさん頂いた。

その言葉の数々は、これからの僕の人生の指針となるものもたくさんあった。

僕はただただ、感謝するだけだった。



香織さんの在籍する設計システム八課にも立ち寄った。

「いろいろとお世話になりました」

「こちらこそ。楽しかったよ」

「太田さんと末永く仲良くして下さいね」

「そっちも、幸せになってね」

僕らは笑顔で、最後までそんな会話を続けた。

その去り際に、香織さんが突然こう言ってきた。

「そう言えば、優美ちゃん、髪切ったね」

そんな香織さんの顔は、意味深な笑みに満ち溢れていた。

そして、軽やかに僕の元から去っていった。

やっぱり、香織さんには全て見透かされていたのだろうか。

まぁ今となっては、もうどうでもいいことだが。



そして後回しにしていた優美のいる設計システム三課を、僕は一番最後に訪れた。

部屋に入るなり、僕はすぐに彼女の姿を目で追った。

でもどこをどう見渡しても、どこをどう探しても、彼女の姿を見つけることは出来なかった。

「僕に会いたくないからだろうか…」

そんな卑屈になるような思いばかりが、無償に心に募っていった。


仕方なく僕は、順々にお世話になった先輩たちに挨拶をして回った。

顔見知りの先輩だらけで、僕の顔は自然とほころんでもいった。

三浦課長や木下係長にも、きちんと挨拶できた。

そこには、蟠りを持った僕の姿はもうどこにもないのだった。


一通り挨拶を終えたところで、突然優美が目の前に現れた。

僕は彼女の姿を見た瞬間から、胸の震えが止まらなくなった。

でも、ようやく彼女を見ることが出来た僕の顔からは、いつしか、自然と笑みがこぼれているのだった。

やっぱり、嬉しかった。

そんな彼女の髪は、聞いていた通りのショートヘアになっていて、

僕の知る彼女とは、似ても似つかぬ人にも見えた。

それは少し言い過ぎかな…

やっぱり驚いた。


でも、そんなショートヘアになった彼女でさえ、

僕には以前と何ら変わらず、眩しく見えた。

髪型が少しぐらい変わっても、彼女はやっぱり、彼女だった。

ずっと、可愛いままだった。

僕にとって…

未来永劫、永久不変に。



「髪切ったんや」

僕は、知らなかったといった、驚いた顔をわざとした。

でも、すぐにこう続けているのだった。

「似合ってるね」

彼女、何も言わなかった。

ただただ、はにかんだ顔をしていた。

「はい、これ」

すると彼女は、突然そう言って、

なにやら、手に持っていた四角い少し厚手の紙を僕に渡してくるのだった。

それは、「色紙」だった。

僕はそれを受け取ると、すぐさま見入った。

するとその色紙には、設計システム三課を中心とした

僕に携わった人たちのメッセージが、

隙間もないぐらいに、びっしりと書かれてあった。



驚いた。

とにかく驚いた。

そして、ひどく感動してしまって、

思わず涙が出そうになった。

でも皆んなの手前、僕は必死でそれを我慢した。


すると彼女が、「お疲れ様でした」の言葉と共に拍手を始めた。

その言葉と拍手は、瞬く間に皆へと広まり、

僕は温かい声と大きな拍手の渦に、あっという間包まれるのだった。

めちゃくちゃ照れくさかった。

でも内心は、そんな彼女の温かい心遣いに、感謝せずにはいられないのだった。

何故なら彼女おかげで、僕はこの会社に就職してよかったとさえ、最後に思うことが出来たからだった。

その声と拍手が鳴りやむまで、いつまでも、いつまでも、
僕は皆んなに、頭を下げ続けているのだった。



僕は、優美にたくさんのものを貰った…

かけがえのないものも、たくさん貰った…

でも最後に、一番の「宝物」を貰った…

僕は、優美に感謝した。

ただただ、感謝していた。





翌二月二十七は、僕が大阪を発つ日だった。

見上げる空は雲一つないようなさわやかなブルー一色に染められ、

それはあたかも、僕の旅立ちを祝うかのようでさえあった。


僕は玄関で、管理人さんや親交のある友人たちい温かく見送られた。

別れを惜しむように、熱い包容や握手なんかを激しく交わした。


そんな中、坂井君が来るまで空港まで送ると言ってくれた。

でも僕は、

「ここで、充分だよ」

そう言って断った。

空港での別れなんて、しんみりするから嫌だった。

僕は笑って「さよなら」したかった。

とにかく笑って。

そしてそんな想い通りの笑顔で、僕は三年間お世話になったと寮を旅立っていった。



僕はずっと通っていた道のりを、

ゆっくりと噛みしめながら歩いていた。

その僕の脳裏には、様々な想い出が走馬燈のように駆け巡ってもいた。

いいことも、いろいろあった。

それに負けないぐらい、悲しいこともたくさんあった。

でも、後悔なんてもうなかった。


何故ならそれがここ大阪での、

僅か三年余りの僕の「軌跡」でもあるからだ。

僕がこの時代ここに存在したという、「証」でもあるからだ。



でもやっぱり一番に思い出されるのは、優美のことだった。

確かに最後は辛い想いもいっぱいして、

この恋の結末は必ずしもハッピーエンドとはいかなかったかもしれないけど、

僕は彼女にたくさんの夢や希望を与えてもらったからだ。

彼女との想い出はこれからも色褪せることなく輝いて、

永遠に僕の中で生き続けるからだ。

僕は青空同様、晴れ々とした気分で、空港への道のりを進めていった。



空港に着いた僕は、チェックインの準備を早々と済ませた。

余裕をもって来たせいか、時間はまだたっぷりとあった。

煙草でも吸いながら、ベンチに座って待つことにした。

でもやっぱり時間を持て余してきたので、売店で雑誌を買った。


僕はしばらくの間、その雑誌を読み入っていた。

すると何やら遠くの方から、甲高い足音が聞こえてくるのが分かった。

ヒールの音だった。

そしてその音は段々大きくなって近づいてきたかと思うと、

僕の目も前でぴたりと止まった。

見ると、細くて綺麗な女性の脚だった。

僕はゆっくりと顔を上げた。

すると荒い息づかいと共に聞きなれた声が、僕の耳に飛び込んできた。


「よかった。間に合った」

見上げるとそこには、何と優美がいた。

僕は自分の目を思わず疑った。

多分、夢だと思った。

でも夢じゃなかった。

だって、目の前が優美がいた。

現実だった。

確かに、現実だった。


「最後にどうしても会っておきたかったの。

ちゃんと『さよなら』言ってなかったから・・・」

彼女は肩で激しく息をしながら、そう言ってきた。

かと思うと、いきなり僕の手を取って、おもむろに立ち上がらせた。

さらにそうしたかと思うと、今度は人目も憚らず、いきなり僕に抱き付いてきた。

僕は突然のことに、ただただ驚嘆するだけだった。

だがしばらくして我に返った僕も、彼女を抱き締めていた。

なりふり構わず。



「わざわざ、来てくれたんだ」

「うん」

「すごく嬉しい」

「うん」

「でも、よく時間分かったね」

「うん」

「坂口くんにでも訊いたの?」

「うん」

「変に思われなかった?」

「うん。ううん・・・、そんなのどうでもいい」

彼女はそう言うと、さらに僕を激しく抱き締めてきた。

「ありがとう。本当に嬉しい」

僕もそう言うと、その腕にさらに力を込めた。

そして次の瞬間、僕らは導かれるようにキスをした。

僕らは最後に、再び一つになった。


そんな僕らに、周りの視線など一切入る筈もなかいのだった。


優美は最後に、笑顔でこう言った。

「このまま二人で、どっか遠くへ逃げちゃおうか」

その彼女の右手の薬指には、銀色のおもちゃの指輪がしっかりと填められていた。




「僕の物語」は、ここでその幕を閉じる。








それからの僕はというと、一年後に杏子と結婚するが、三年後に離婚した。

原因言わずとも分かると思うが、全て僕にあった。

その後実家に戻り、再びサラリーマン生活を続けて現在に至る。

恋愛も幾度となく重ねはしたが、なかなかうまくいかず、今は両親と三人で

ひっそりと暮らしている。

それでも建築設計の仕事だけは、違う形ではあるにせよ、

あれ以来ずっと続けている。

一方の優美はというと、一年後に旦那との間に子供を産んだらしいが、

うまくいかず、その一年後に別れたらしい。

その後は、再婚したようなことも風の噂で聞いた。

でもあの日の空港以来、彼女とは一切連絡を取っていないので、

実際の詳細は不明である。


ただ僕は、今でもあの時のことをよく想う。

僕が出した決断は、本当に正しかったのだろうか。

僕の夢を、あのまま終わらせてよかったのだろうかと。

そして、思い出す。

彼女との輝いていた日々の数々を。



でも、僕は信じるしかない。

だって人生に幾度とくる岐路には、いつも決まって答えは一つしかないからだ。

そして、こう言い聞かせる。

それがあの時の僕たちの「運命」だったと。



でも優美、君が幸せであることを願っている。

君の知ることのない遠い場所から、

いつでも、どんな時でも、僕は願い続けている。

だけど優美、一つだけ知っておいてもらいたいことがあるんだ。

そして優美、それを君の心の片隅にでもいいから置いておいて欲しいんだ。



君のことを、今でも想い続けているひとりの男がいるということを・・・

そして君との想い出を胸に、今日も生き続けている僕がいるということを・・・



そう、僕は自分でも信じられないけど、

未だに君のことが忘れられないでいる。



そして二〇〇七年、四十歳になった僕は、


君を想い、この物語を書いている。

君との想い出を、決して忘れない為に。

この物語を、いつか君に読んでもらう為に。


そして、夢の続きを見る為に。

そう、僕の夢はまだ終わっていない。

この夢には、きっと続きがある。

そう信じて。



忘れえぬ君へ・・・


これは、儚き君への想いを綴った「僕の物語」だ。

そしてこの「物語」を、いつの日か必ず君の元へ。



ねぇ優美、君を待っててもいいかい?

奇跡を待っててもいいかい?



そして、僕は今日も空を見上げる。

君のいる場所と必ず繋がっている、この青く澄み切った空を・・・







2024年1月1日月曜日

新年明けましておめでとうございます!営業初日の4日は新春書き初め大会開催!


新年明けましておめでとうございます!



本年も、ルシエを



何とぞよろしくお願い致します!





11年目に突入したルシエは



新年は、1月4日より営業!



まずは、1月7日日曜日まで



1月8日成人の日は、再びお休みとさせて頂き



1月9日より、日曜日がお休みの通常営業となります



皆さま、くれぐれもお間違えのないよーに





そして、営業初日の1月4日は



ルシエでは、初の試み



新春書き初め大会を開催しちゃいます!



今年の抱負を



思いっきり筆に込めちゃいましょう!



習字なんて、いつ以来



なんて方も多いと思いますが…



そこは、ルシエワールド



楽しい時間で、1年をスタートさせましょう!





それでは、2024年が



皆さまにとって、素敵な1年になりますよーに



どうか健康で過ごせますよーに  (*´︶`*)♡








2023年12月26日火曜日

大晦日まで全力営業!2023年もありがとうございました!


今年も残り1週間…



年齢を重ねるごとに



本当に、時が経つのを早く感じますよね



ある説によると



人は初めての発見や、未体験な出来事は



強く印象に残り



時間を長く感じるそうです



若い時がそう



逆に社会に出てしまうと



どんどん世界が狭くなり



日々の生活の新鮮味が薄れていき



時間があっという間に過ぎていく感覚になる



という考え方…



なんか、分かる気もします



やっぱ、新しい出会いや経験が日々にあることは



いいもんですよね



そして寝る時に



今日1日楽しかったなー



と、思いながらベットに就く日が少しでも多い方が



最高ですよね



ということで



2023年の年の瀬も、ルシエは



大晦日まで全力営業!



皆さんの、最高の時間作りや



新たな出会いや経験を



今年最後の日



年明けの瞬間まで



お手伝いさせて頂きます!



家で独り過ごすのは、飽きてきた…



なんて方は



ぜひぜひです♪



みんなと過ごすとより楽しい



お時間のある方は



ぜひお気軽にお待ちしております (*^^*)







そして、今年最後になりますが



毎度毎度、拙いブログを



たくさんの方に読んで頂き



本当にありがとうございました m(_ _)m



2024年は1月4日から営業



温かい目で来年も



何とぞよろしくお願いします!



それでは皆さま、良い年の瀬をー!









2023年11月28日火曜日

いい人がいれば… はもう卒業!

 

今週末には、もう12月



気付けば今年も … ですね



皆さんにとっては



どんな1年だったでしょうか?



僕自身は、2023年は



夏が嫌いになった 笑



とにかく暑かった、が一番かな



ルシエ的には



カップルは、そこそこ作ったけど



中には、お別れになったカップルもいたりして



まだまだ、力不足



日々反省、という感じです



反面、アクティブな方は



やっぱり、幸せになってる方が多いように思えます



と、言うことで



今年も良く聞いたワード



いい人がいれば…



は、もう皆さん卒業して



ラスト1ヶ月



いい人を見つけよう



そう、自らガンガン行動していきましょう



そして、それはまさに



今日からですよー!




2023年10月15日日曜日

たくさんのお祝いありがとうございましたー!

 


えー、この度はたくさんの10周年のお祝い



皆さん、本当に本当に



ありがとうございました!!!



この場をお借りしても



厚く厚く、お礼申し上げます



改めて、皆さんに支えられて



お店が続けられていることを



深く、深く実感することが出来ました



引き続き、初心を忘れず



これまで以上に謙虚に



皆さんのお役に立てるように



頑張って行きたいと思います



今後とも何とぞよろしくお願い致します



そして、また明日から



ルシエで、一緒に笑いましょう!